
オタモイ地蔵尊を題材にした短編アニメ、海ノ民話アニメーション「オタモイ地蔵」の完成上映会が、先日、3月8日(日)に塩谷小学校体育館で開催され、私も観に行ってきました。
これは、一般社団法人日本昔ばなし協会が全国各地の海にまつわる民話・伝承を選定してアニメ化し、次世代へと語り継ぐ日本財団「海ノ民話のまちプロジェクト」の一環で、制作にはオタモイ地蔵を研究している小樽商科大学の高野宏康氏も携わっているんですね。

オタモイ地蔵尊は、江戸時代末期、北前船の遭難犠牲者供養のために建立され、明治中期以降は子宝地蔵として全国から信仰を集めていたということなんですが、そこには江戸時代末期に恋人を追って北前船に忍び込んだ女性が、当時女人禁制だった海域に入って嵐にのまれた船から自ら身を投げたという、悲しい物語が言い伝えられているんですよね。
今回のアニメは、地蔵尊建立の由来の一つとされているその物語を元にしたもので、5分半ほどのアニメです。

上映会は塩谷桃内まちづくり推進委員会主催で、当日は上映会のあとにアニメ監督の沼田心之介氏、地質学専門の松田義章氏(小樽商科大学非常勤講師)、そして高野宏康氏(小樽商科大学グローカル戦略推進センター学術研究員)の3名によるトークセッションも行われました。
沼田監督による、アニメのためのロケハンの苦労話やアニメの見どころ、松田先生のオタモイ地蔵周辺の地質についての解説、高野先生によるオタモイ地蔵の現状などといったお話も聞くことができました。
上映会には事前申し込みは不要だったのですが、当日会場には当初の80名程度の定員予定に対して、140名ほどが来場していたそうで、多くの方に注目されていたようです。

アニメについては3月9日よりyoutubeでも公開されています。こちらです。
独特なタッチの絵はとても繊細で味わい深く、描き込みも丁寧ですね。
自治体のPRや学校での上映など、様々な活用が見込まれ、北前船やこれまでふわっとしか知らなかったオタモイ地蔵などについて、アニメという形になって、より広く分かりやすく伝えることが可能になりそうですね。
今回の上映会の記念品としてポストカードをいただきました。

また、松田先生が執筆した地質学冊子「小樽海岸、塩谷・桃内・オタモイの大地の生い立ち物語」の贈呈式があり、会場ではその冊子の販売(寄付という形)もあって入手したので、あとで読んで勉強してみようと思います。

ちなみに、オタモイといえば、昭和初期に道内有数の観光施設として人気があったという「オタモイ遊園地」があったことでも知られていますが、その代表的な施設で、断崖絶壁に建つ姿がとても印象的な料亭「龍宮閣」が昭和27年に焼失し、その後、遊園地は閉鎖しました。
また、オタモイ海岸はその美しい景観でも知られていますが、現在は海岸への遊歩道は土砂崩れ・落石により2006年(平成18年)から通行禁止で、オタモイ遊園地跡地やオタモイ地蔵尊などがある海岸一帯は立ち入り禁止となっています。
オタモイ地蔵尊の維持管理が今後どうなるのか、またオタモイ遊園地跡の再開発計画も事実上凍結となっていて、このオタモイ海岸一帯が今後どうなうのか、なんとも気になるところです。
(オタモイ地蔵尊を安置する地蔵堂。2024年の同行した現地調査より)


ということで、塩谷小学校で開催された海ノ民話アニメーション「オタモイ地蔵」完成上映会についてでした。
※オタモイ地蔵 | 海ノ民話のまちプロジェクトオフィシャルサイト
※関連ニュース
・2026年3月4日・9日付北海道新聞朝刊小樽・後志欄
・海ノ民話アニメ「オタモイ地蔵」完成上映会 約150名来場(小樽ジャーナル)
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