今回は角の加工を行いました。
彫りを進める中で、角の加工は難しい作業の部類に入ります。
本体に角をはめ込む取付穴を両サイドに作り、角のはめ込みにガタが出ないようにヤスリを使い調整します。



嵌めこみが出来たら、角の両先端の位置を計測し、補正してから彫ります。



角の位置決めは完了しました。細部は仕上げ彫りで調整します。

額から眼に向けて取り合いを確認しながら、粗彫りを進めました。
一旦、ここから離れ、鼻下から顎にかけて粗彫りを進めます。



口の開きや牙の位置を注意し、各部位の取り合いを確認します。

２０年前に打った泥眼―Ⅰが有りますが、新しく泥眼ーⅡを制作することにしました。
謡曲「葵上」の前シテが掛ける泥眼は、六条御息所の生霊が恋敵であった葵上を、妖気で苦しめる物語です。

高貴さを損なわない仕舞とともに、掛けられる泥眼の面も気品を感じられるものが必要と思われます。



彩色は来年５月以降を予定しています。
※９月９日に画像を更新しました。