年が明けて、あっという間に三か月が過ぎました。
いよいよ4月。望にも春の陽気が訪れて気分が上がる時期となりました。
通勤や送迎用自動車のタイヤは冬用スタッドレスタイヤからノーマルタイヤに替わります。
通所の利用者様や職員も雪道用の冬靴から解放されます。
足元が軽くなると一層気分が上がりますね。
発見されている中で最古の靴は紀元前7000年頃のものです。
ヨモギの樹皮で編んだサンダルだそうです。
金属器などと違い素材が腐ってしまうので後世に残りにくいものですから、実際はもっと前から生活の必需品として存在しているのでしょう。
最近のスニーカーは絵画のようにオークションで高値が付くものがあり、4年前の海外オークションで約2億円(!)の値段が付いたものがあります。カニエウエストというミュージシャンがグラミー賞授賞式で履いたナイキ製の黒いスニーカーでした。
本当に美術品の扱いですね。
それでは今回は、ごく普通の靴のお話です。
令和7年の現在、望の利用者様が使用されている靴の主なものを紹介いたします。

代表的なタイプがこちらの型です。
マジックテープ(ベルクロ)で履き口が調節できて軽く、形状がとても考えられています。底は施設内のタイルを想定されているようで、外で履く靴より柔らかく、適度な摩擦を生んでくれます。
爪先が閉じたタイプと開いたタイプがみられますが、基本的には足のホールド感がしっかり得られる閉じたタイプがおすすめです。
ただし、足がむくみやすかったり外反母趾が強かったりする方、大きく開くので足の出し入れのし易さが必要な方などには爪先が開いたタイプがより適しています。

このように足の形状など利用者さんの特徴、ご予算や色の好みなどに施設内のセラピストが対応して靴を新調する際は一緒に選ばせてもらっています。
写真のような測定器具を用いることもあります。

ジッパーで開くタイプをお使いの方はあまりいらっしゃいません。
開閉は楽ですがフィットの調整がしにくい難点はあるかと思います。
入所した時点でお使いの靴をそのまま使われる方も多いので、革靴やスニーカーなど皆さんの足元は様々です。

日中ベッド上で過ごされる時間の多い方もいらっしゃいます。
靴を履く時間や頻度が少ない方は、このようにより軽く全体に柔らかく、足に優しくフィットするタイプを使用されることがあります。
毎日利用者様と関わっているユニット職員の皆さんの意見も、靴を選ぶ際に大変参考になっています。
利用者様のリハビリで歩行訓練など実施する際に足元を見ていますと、靴の履き口の踵の部分を潰してサンダル履きされている方が少なくありません。履き脱ぎが楽なのでお気持ちは分かりますが、万が一にも転倒して怪我をしないようにしっかり踵まで履いて頂くようセラピストは指導しています。
最後に、セラピストの一人はこんな靴を履いております。

踵を潰してサンダル履きもできれば、しっかり踵まで履くこともできるタイプのスニーカーですね。
利用者さんには常日頃靴の踵まで履いて下さいね、とお願いしているにも関わらず何で?と思われるかもしれません。
セラピストはリハビリ用のベッド(プラットフォーム)に何度も上り下りしますので、すぐ脱げる事も靴に求められる性能だったりします。
もちろん歩行訓練や階段昇降などでは踵まで履いておりますよ。
今回は利用者さんがお使いの靴に焦点を当ててみました。
それでは次回をお楽しみに!